東京メトロ日比谷線「築地駅」のすぐ近くで、駅と建物を直接つなぐ大規模な再開発が進められています。
計画されているのは「築地二丁目地区第一種市街地再開発事業」。日鉄興和不動産とNTT都市開発が施行者となり、オフィスや店舗などが入る地上20階・地下2階、高さ約110mの複合施設を整備します。
2026年7月には権利変換計画が認可され、国土交通大臣による民間都市再生事業計画の認定も受けました。現在公表されているスケジュールでは、2027年2月に新築工事へ着手し、2030年11月の竣工を予定しています。
建物だけでなく、築地駅にこれまでなかった駅前広場、新しい地下鉄出入口、大規模な交流広場なども整備される点が大きな特徴です。
築地二丁目地区第一種市街地再開発事業の概要
まず、2026年7月に日鉄興和不動産とNTT都市開発から発表された計画内容を整理します。
| 事業名称 | 築地二丁目地区第一種市街地再開発事業 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都中央区築地二丁目11番の一部 |
| 敷地面積 | 約5,050㎡ |
| 延床面積 | 約56,300㎡ |
| 規模 | 地上20階・地下2階 |
| 高さ | 約110m |
| 主な用途 | 事務所、店舗など |
| 施行者 | 日鉄興和不動産、NTT都市開発 |
| 新築工事着手 | 2027年2月予定 |
| 竣工 | 2030年11月予定 |
計画地は築地本願寺の北側に位置し、新大橋通りと平成通りの間に広がる約0.6haのエリアです。
旧築地市場跡地で進められている大規模な「築地地区まちづくり事業」とは別の再開発ですが、事業者は築地地区のまちづくりにおける先行開発プロジェクトと位置付けています。
築地駅と建物を直接つなぐ新しい地下鉄出入口を整備
今回の再開発で特に注目したいのが、東京メトロ日比谷線「築地駅」と建物が直結することです。
単に駅の近くに建物ができるという意味ではなく、地下鉄出入口と建物内部を直接つなぐ計画です。築地駅から平成通り方向へ抜けられる新しい歩行者動線が形成され、その途中には商業施設も配置されます。
雨の日などでも駅から建物へ移動しやすくなるだけでなく、築地駅を起点として周辺の商店街や街路へ人を誘導する役割も期待されています。
築地駅に新しい駅前広場を整備
新大橋通り側には、新しい地下鉄出入口とあわせて駅前広場が整備されます。
築地駅にはこれまで一般的な意味での駅前広場がありませんでした。今回の再開発では、地下鉄駅と周辺の街をつなぐ空間として駅前広場を新設します。
さらに、建物の反対側となる平成通り方面には、地域住民やオフィスで働く人、観光などで築地を訪れる人が利用できる大規模な交流広場も設けられます。
国土交通省が公表した民間都市再生事業計画では、事業全体で広場約2,424㎡、緑地約466㎡を整備する計画となっています。
商業施設は築地駅から平成通りへ続く動線に配置
低層部などには商業施設が設けられます。
商業施設は、築地駅から平成通りへ向かう歩行者ネットワークに沿って、地下と地上に配置する計画です。
国土交通省の認定資料では、建物用途として事務所のほか、銀行、物販店舗、飲食店などが示されています。
一方、具体的な店舗名やテナント数、商業施設としての名称、開業日などは現時点で公表されていません。個別店舗については、今後の正式発表を待つ必要があります。
オフィスは基準階約590坪の無柱空間
建物の主要機能となるのがオフィスです。
現在の計画では、基準階面積は約590坪。柱の少ない大規模な無柱空間を確保し、多様な企業のレイアウトに対応できる高規格なオフィスを整備するとしています。
築地周辺では大型オフィスの供給が限られているため、駅直結という交通利便性とあわせて、築地エリアの新しい業務拠点になることが想定されています。
区道の歩道整備や無電柱化も実施
再開発の対象は建物と広場だけではありません。
計画地の周辺では、区道675号線の無電柱化や歩道の新設を進めるほか、中央区が実施する平成通りの歩行環境整備にも協力します。
築地駅、新大橋通り、平成通りをつなぐ歩行者動線を整えることで、駅から周辺の店舗や観光スポットへ歩いて移動しやすい環境を目指します。
旧築地市場跡地でも大規模なまちづくりが進められているため、今後は築地二丁目だけでなく、築地地区全体の回遊性がどのように変わっていくかも注目点です。
災害時には一時待機場所として広場を活用
大規模交流広場は、普段の休憩や地域活動だけではなく、災害時の一時待機場所としても利用する計画です。
国土交通省の計画では、防災備蓄倉庫や非常用発電設備も整備するとされています。
駅周辺の無電柱化などと組み合わせ、来街者が多い築地エリアの防災機能を高めることも今回の再開発の目的となっています。
以前の計画から階数や完成時期が変更されている
築地二丁目の再開発について調べると、地上21階や2029年度竣工と記載された情報が見つかる場合があります。
これは計画内容が途中で更新されているためです。
| 項目 | 2024年の施行認可時点 | 2026年7月発表 |
|---|---|---|
| 階数 | 地上21階・地下3階 | 地上20階・地下2階 |
| 延床面積 | 約57,300㎡ | 約56,300㎡ |
| 竣工予定 | 2029年度 | 2030年11月 |
そのため、現在の計画を確認する場合は、2026年7月に権利変換計画の認可とあわせて公表された「地上20階・地下2階、2030年11月竣工予定」を基準にするのが適切です。
なお、国土交通省が認定した都市再生事業計画そのものは2034年度末までを予定しています。これは建物竣工後も平成通りの歩行環境整備などを含む事業が続くためで、複合施設の竣工予定である2030年11月とは対象範囲が異なります。
築地二丁目の再開発は2030年11月竣工予定
築地二丁目地区第一種市街地再開発事業では、東京メトロ日比谷線「築地駅」に直結する地上20階・地下2階、高さ約110mの複合施設が計画されています。
オフィスや商業施設だけを建設するのではなく、新しい地下鉄出入口、駅前広場、大規模交流広場、歩道、緑地などを一体的に整備する点が特徴です。
2027年2月の新築工事着手、2030年11月の竣工が予定されています。店舗名や施設名称、具体的な開業時期などはまだ明らかになっていないため、今後の発表によって計画の詳細がさらに具体化していくことになりそうです。
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